算数を目で解く方法指導テキスト「いちごの研究」について


   とかく算数の文章問題は「読む力」だとか「考える力」などと難しい理屈が多く、そのことが子供達を悩ま
   せます。ところが、「算数を目で解く方法」はデモのコ−ナ−を覗いていただいた通りいたって原理が
   簡単です。そのキ−ワ−ドは…数の概念を「観察」によって伝える…です


   それは今から20年程前のことです。…1年生の子にそろばんのひき算を教えていたとき……
   引かれる数と引く数をそろばんに並べておいたら比較が出来て「良く理解できるのでは?」と思ったのです。
   (普通、そろばんの計算はひかれる数から直接数をひいてしまう…数の原理が合理化されているためだが
   反面、小さい子は解りにくいのも事実)思った通り、その子はこの方法で順調にペ−ジを進めました。
   が、そのとき私は面白いことに気がついたのです…
   「この方法で文章問題を教えるとたいへん効果が高い!」ということにです。


   それまでのそろばんは、常に計算結果だけが目的でした。考える過程はあまり重視されません。算数教育
   という発想は必要なかったのです。それは私とて同じこと…ですからこうしたそろばんの隠れた機能に気づ
   かなかった訳です。が、文章問題をそろばんに再現することによって数の構造が明らかになるという
   そろばんの特性は文章問題指導にこそ相応しい機能で、ここから私の文章問題指導が始まった訳です。
   ただ、わり算を目で解く方法はたいへん苦労しました。「わる」という意味はいったいどういうことなのか…
   1年近く考えたある日のこと…それは、独特の数の動きにあるのだということに気がついたのです。
   この数の動きが「わる」という正体だったのです(デモを見る)目からウロコが落ちる思いでした。


   こうしたことから「算数を目で解く」方法の原理を顧みますと…
     1)数を再現することによって数が視覚化できる(そろばんの珠のオハジキ効果。同時に数そのものでもある)
     2)再現された互いの数が比較出来る(数が珠の集合体で表されるので求める数の発見や分析が可能)
     3)問題文に従った数の動きも再現できる(動きの再現はそろばんだけの機能)
   ということがあげられます。つまり、これまでの算数教育になかった機能がそろばんにあることが判ります


   その頃から私は、多くの子供達に、この「算数を目で解く」方法で算数がわかるようにしてあげることが
   目標になりました。「なぜこの問題はかけるのか?」「なぜこの時はわるのか?」その理由と根本をジカに
   見せてやりたいと思ったのです…こうして、「算数を目で解く」方法が充実していった訳です。


   そして同時にその頃私は、娘が幼稚園の年長に上がったのを見計らってある実験に着手しました。
   「この方法は小学生以上でなくてはいけないのだろうか?」「幼稚園の子供でも理解できるのでは?」と
   思えるような場面が多々あったからです。
   先生が父親という娘の関係は必ずしも楽しいことばかりではなかったずです。が、娘は一生懸命私に
   ついてきました。そして、娘が小学校2年になったある日、小学校3年生の教科書を与えてみたのです。
   このとき娘は「算数を目で解く方法」でたし算、ひき算はもちろん、既にかけ算、わり算の文章問題まで
   終っていたからです。娘はパラパラとそれを解いてみせました。
   幼稚園の子は、なまじの知識がないので「ソレたし算だ」「ヤレひき算」どという既成概念が邪魔しません。
   素直に目で答えを見つけだそうとします。こうしたことが数の構造を意識するさせるのに良かったのだと
   思います。…そろばんにはまだまだ気がつかない使い道があるようです。

   そうそうもう1つ、そろばんの暗算は驚異的であることも付記しておきます



   さて、この「算数を目で解く方法」を扱うテキスト「いちごの研究」について簡単に紹介しておきます。
   「算数を目で解く方法」はそろばんを使った算数指導法ですから、そろばんを動かせないと出来ません。
   「いちごの研究」は、そろばんの練習と併行した形でこの「算数を目で解く方法」を学んで行くテキストです。
   そろばんの計算方法の修得にあわせて「たす、ひく、かける、わる」の文章問題の解き方を学んでゆきます
   そして、比の問題、小数が入った文章問題へと進んで行きます。(小数を目で解く方法は一見の価値あり)
   尚、「いちごの研究」は当菅原そろばん、あんざん教室独自のオリジナルテキストなので市販はされていません。
   また、この「算数を目で解く」方法は「菅原そろばん、あんざん教室」だけの技術で一般のそろばん教室では
   指導していません。
   (「算数を目で解く」方法を教える教室が2〜3あります「教室の紹介」のページを見て下さい)